ケイが、「金田くんあなたさっき…」と言いかけますが、その言葉は甲斐に遮られます。小学生頃の鉄雄が引っ越してきて、いじめられ、陰口をささやかれる記憶。金田も救おうとしますが、彼は自ら鉄雄の中へと飛び込んでしまいます。苦しみ、助けを求める鉄雄を救うために。ラボを出ては生きていけないから、大佐やドクターに協力するしかないけれど、でも内心ではそれは本意ではなかったはずです。「人々はそれを目の当たりにし始めて流れを認識しその大きさに恐怖する」ナンバーズたちは、祈る…というか精神的にアクセスすることで、標本の中に存在しているアキラを目覚めさせた。「『力』を発揮し流れを止める…再び開放したとき流れはその速度を倍加させながら元の状態へと戻る」「鉄雄くんには無理だったのさ。もちろん僕らにも。アキラくんにも」アキラや鉄雄の「力」は、この「種」が発芽し、宇宙全体の大きな力の流れを「押しとどめようと」したり、「再び開放」したりすることが出来るようになった状態。我々の宇宙の中でもう一つの宇宙が誕生したら、我々の宇宙は破壊されてしまいそうですが(そしてたぶん大佐や科学者たちが恐れたのはそのような事態なのだと思いますが)、1988年においては、また原作の3巻での発現時においては、アキラの爆発はやがて収縮に転じたようです。解剖や実験の途中で、危うくまた発現が起こりそうになる…というニアミスがあったのかもしれない。だから科学者たちは恐れ、「自ら開けた恐怖の穴を慌てて塞ぎ」、アキラを絶対零度のカプセルに封印した…。…というのが、このクライマックスで起こったことではないかと思います。また、原作のクライマックスでは、鉄雄に呑まれた金田にミヤコが語ります。そのビッグバンの力は分散されましたが、しかしその力の「種」は宇宙の構成要素の中に含まれ、生き続けている。「高きより低きへ、密より疎へ拡散し、均一へと、その方向は一定であり不可逆である」鉄雄の肉体が、「力」に応じて形や大きさを変えてしまうのと同様ですね。「中に入ったらもう、僕たちの力では出てこれないよ」「でも、3人でやればできるかも」金田はまた、キヨコやタカシ、マサル、アキラがともに暮らしている研究所の光景を見ます。これは、鉄雄の記憶ではない。アキラの記憶であるはずですね。鉄雄が力を扱いきれず、地球を滅ぼしてしまうような状況を避けるため、ナンバーズの子供たちはアキラの「力」を呼び出した。想像力で世界を紡ぎ出す作家は、やっぱりそんな究極の疑問に、自分なりの答えを構築してみたくなるもので。もしかしたら、私たちのこの宇宙も、こんなふうに始まったのかもしれないですね。ナンバーズたちは、大破局から救うため、大佐をネオ東京のトンネルへと移動させます。1988年の発現の後、アキラの肉体は細切れにされ、脳や神経も薄切りの標本にされてしまった。金田や鉄雄と同様に、キヨコ、タカシ、マサル、アキラも孤児なのだろうと思われます。そうでなければ、実験台にされることはなかったでしょうから。いじめられて泣く鉄雄と、いじめっ子をやっつけて鉄雄におもちゃを返してやる金田。肉体があって、例えば脳があって、そこに「力」が宿るのではなくて。金田とケイ、甲斐がバイクを走らせ、ネオ東京へ向かっていくラストシーン。タカシが「あの人は関係ないもの」と言って、ナンバーズは金田を救うためにあとを追っていくことになります。
竜 ( レジスタンスのリーダー ) : 玄田哲章. ホーム ピグ アメブロ. アキラのもとへ向かった鉄雄を追うためにラボを出た大佐は、身柄を拘束するという政府の役人に行く手を阻まれます。店長は足元を見て吹っかけようとしますが、鉄雄に惨殺されてしまうことになります。「人間って、一生の間にいろんなことをするでしょう。何かを発見したり、作ったり」鉄雄を助けに来たつもりの金田ですが、力を自覚した鉄雄はすっかり増長。これまで金田に頭が上がらなかった分、嬉々として強気に出てしまいます。「アメーバは家や橋を作ってはくれないわ。ただ自分の周りの餌を食い尽くすだけ」「もう戦後は終わった」との発言がありますが、現実の1956年度の経済白書で「もはや戦後ではない」というフレーズが使われています。「昔、その力をコントロールしようとした人たちがいたの。政府の要請を受けてね」大佐を査問委員会にかけるという議会を、大佐は蹴って立っていました。その不在の間に査問委員会が開かれ、大佐の全権剥奪が決まったのでしょう。その直後、ケイが触媒としての力を利用されるため、子供達によって連れ去られます。山形が鉄雄に挑んで殺されるわけですが、原作と違ってそこは直接的には描写されません。後で、甲斐によって報告されるだけにとどまります。タカシやマサルやキヨコ、アキラや鉄雄に発現した、人智を超えた力、エネルギー。ケイがキヨコに操られ、金田に「A-ROOM」へのルートを教える。原作におけるミヤコは19号なので、この時期にラボにいたようです。実験の副作用で視力を失い、ミヤコはラボから外に出されたようです。アキラの災厄の時には、ミヤコはラボにいませんでした。原作では19号という若いナンバーを持つナンバーズであり、鉄雄に対抗する勢力のリーダーとして、最後まで体を張って戦い抜く。非常に重要なキャラクターです。映画では、最初からナンバーズはこの3人だけということになっているようです。「猿みたいなものだったわけでしょう。人間って。その前は爬虫類や魚、そのもっと前はプランクトンとかアメーバ」あえて廊下を遠くから捉え、その瞬間電気が消えて、「破裂」とともにまた電気が灯る。根津が野党党首として出席する議会では、大佐がタカシの脱走やそれをめぐるトラブルについて責任を問われています。竜たちの「新しい実験体」についての話を聞いた金田は、それが鉄雄のことだと知り、潜入に加えてもらうよう竜たちに訴えます。「そのもっと前の水や空気にも遺伝子はあるのかしら。宇宙の塵だってそうでしょう」竜たちが帰ってきて、金田はスパイであることを疑われ、監禁されます。それでも、すぐに排気口から脱出しちゃうのがさすが金田。そのカリスマ性で、自分を逮捕しにきた兵士も味方にしてしまう。大佐、さすがですね。タカシ、マサル、キヨコは「お前なんか死んじゃえ！」と鉄雄に対抗しますが、自らの力に目覚めた鉄雄を止めることはできませんでした。留置所に入れられた金田とケイ。ケイが、アキラについての思いを語ります。
予知能力がある。実験体No25号。 ) : 伊藤福恵. 4月24日に4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-rayで発売される「AKIRA 4Kリマスターセット」。その発売に先駆け、4月3日から「AKIRA 4Kリマスター」がIMAXで上映される。 物語の構成からみえてくる「主人公」の存在 .

根津 ( 大佐の起こしたクーデターで失脚・心臓発作で死ぬ政治家 ) : 大竹宏.

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